オンフェスベイルの目 [ + Story Cubes + ]

むかしむかし、あるところに
なんでも見ることができるという大きな目があったそうです。

大きな目はオンフェスベイルと呼ばれる背の高い建物の
最上階にあるというウワサです。
オンフェスベイルは、今で言うところの
オフィスが雑居する高層ビルのような形だったそうです。

その大きな目でなにかを見たいと思う人は、
自分が大切にしているものを対価として差し出す必要がありました。
対価が大きすぎても、小さすぎても、いけません。
自分が見たいと思うものに釣り合う対価を求められました。

また人間でなければ見れないということは無く、
ハタラキバチの小さな好奇心でさえも大きな目は受入れました。

しかしオンフェスベイルへの入口はいつしか硬く閉ざされてしまいました。

それはかつて何かを見るでもなく訪れた何者かが、
虫眼鏡であつめた太陽の光を大きな目にあてて、
なんにも見えなくしてやろうとたくらんだことがあったからです。

人や動物と一緒にいろんなものを見ていた大きな目は、
いまでは人々の記憶からも消えてなくなりそうです。

おや、
オンフェスベイルの中に灯りがともるなんて何年ぶりのことでしょう。
こころなしか、大きな目が少し嬉しそうに笑ったように見えました。
足音が少しづつ大きくなってきます。

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