夏休み特別企画:読書感想文「小商いのすすめ」を読んで。


今日は柄にも無く少々難しい話をします。
薬師岳から帰ってきて筋肉痛で動けないで居た2日間のあいだに本を読みました。
平川克美さんの「小商いのすすめ」という本です。
どういう内容の本かというのは書きませんが、
日本で閉塞感を感じ、日々の生活と政府が行う政策に大きな溝を感じている人には、
読んでよかった!と思える一冊であると思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「人間は意思することと必ず違うことを実現してしまう生きもの」
この項目が特に気に入っています。
私なりに解釈すれば、日本人全体が日本が良くならない原因を「将来に対する不安」
という漠然としたものにすりかえて、国全体でトンチンカンな政策を必死になって実行している姿を
書き表した項目なんじゃないかな、と思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「将来に対する不安」ってなんだろう?
「安定を望む」ってなんなんだろう?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そもそも「安定」に対してどういうイメージを持っていますか?
安定=良いこと、すばらしいこと
多くの人はそんなイメージを持っているんじゃないかと思います。
では、ちょっと視点を変えた説明をしてみますね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最近、お友達に誘われてボルダリングジムへ行くようになりました。
そのお友達が私にしてくれたアドバイスです。
「足の土踏まずあたりでホールドに乗るとラクだけど、つま先で乗るんだよ」
「土踏まずでドッシリとのっかっちゃったら安定しちゃって次のホールドに移動できない」
「つま先で小さなホールドに乗って、どのようにでも体重移動できるようにしておく」
ボルダリングで大事なのは安定ではなく、不安定な場所でとるバランスです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の「安定」に対するイメージは、
前にも進めず、後にも戻れず、ただそこにあるだけの状態。
「安定」にまったく良いイメージはありません。
むしろ、不安定だからこそ動くことができると思います。
もちろんバランスを欠くと崩れてしまいますが、
「安定」を保っているよりは「不安定」なうえでバランスをとり、時に崩れるという
変化に富んだ状態のほうが良好とはいえませんか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「将来に対する不安」という漠然としたものは「安定」が作り出した空虚のモンスターです。
人が目的に向かって動いていれば物理的な問題が必ず見えてきます。
実体の無いモンスターと戦うことは不可能ですが、
目の前で明らかになった問題を解決していくことは可能です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちょっと話はずれちゃいますが、世界の水産業は右肩上がりだって知ってますか?
私たちは小学校の教育から日本の水産業が衰えていっていると習いました。
日本と世界の現状を教えられることも無く、改定もされていない古い教科書で・・・
このままでは、いつの日か、魚は輸入に頼り食べたいときには高くて買えない。
島国なのに魚すらまともに手に入れることができない、そんな国になってしまいます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本の食糧自給率は、もう40%を下回っています。
毎日、毎日、廃棄される食品を見ていたら食料自給率が低いだなんてみじんも感じ取れませんよね。
日本での農業のイメージは「労働がきついわりに儲からない」じゃないかな。
実は日本よりもすっと小さな国オランダは、少ない農業人口と農地面積にもかかわらず
世界第二位の食糧輸出国なんです。
人が生きていくために食べ物は絶対に必要、だとしたら農業が儲からないわけがないんです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
311以降、被爆国から自爆国へ成り下がってしまった私たちの国、日本。
そんな背景をよそに、まだ他国に原発を売り込んでいる日本政府。
誰のために何をしているんだろう?
人が生きていくために必要なのは、原発ではない、金でもない。
人が生きていくために必要なのは、今日いただくほんのわずかな食糧だけです。
その食糧さえも自国で用意できないとなれば、いよいよ日本は終わりです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2013年6月の統計で日本の人口は1億2732万人。
日本には優れたテクノロジーも古くから耕してきた大地もあります。
1億人ちょっとの自国民の食べるものくらい、自分たちでなんとかしようよ!
水産資源にも恵まれた素敵な島じゃないか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
山に入るとすごく感じることですが、頂上付近を仰ぎ見ると先へ行く登山者が見えます。
その人間の小ささに、山の大きさを痛感します。
人というのは思っている以上に小さい生き物です。
人間がさまざまなものをコントロールできるというのは完全なる笑い話です。
山の中や海の中に放り出された人間が、砂浜に落とした小さな石であるかのように。
そんな人間が地球を相手にしたって太刀打ちできるはずがない。
なんでこんな簡単なことに気が付かないんだろうね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オコジョは何も持っていなくても自然の中で生きていけるのに、
人間はたった一晩、自然の中ですごすために立派なテントを用意して、
明るいランタンを携え、スーパーマーケットで買った食糧を持っていかなければ
明日の朝を迎えることができません。
そろそろ、自分たちの弱さに気が付いてもいいんじゃないだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
弱いことが悪いことではありません。
その弱さと地球の偉大さに気が付いた賢い人間は必ず強くなれます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「小商いのすすめ」はこんなことが書いてある本ではありませんよ。
この本を読んで、私が勝手にいろいろと思考をめぐらせているだけです。
久しぶりに出会った良い本です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わたし、読書感想文ってものすごく苦手でした。
なんでかって?
そりゃ、昔からなんかひとつ読んでも思考と妄想がとまらなくなって、
もはや本のストーリーなんかどうでもよくなって、
最終的には支離滅裂な感想文を提出するもんだから、
先生は採点のしようが無いんですよね。
「もっとちゃんと本を読んで書きなさい」
チーン。
読書感想文ってどーやって書くんですかね?笑
スポンサーサイト