はじまりとおわりを知っているペン [ + Story Cubes + ]

むかしむかしのお話です。
どのくらい昔のことかと言いますと、
のちの定規とよばれる道具を使って描いた直線か、
もしくは手が動きのままに規則性のないよれよれとした線しか
描くことができなかった頃のおはなしです。

ある日アドさんはAiという模様のついた箱を拾ってきました。
家に帰って開けてみると中にはペンが入っていました。
ペンで描こうにも、どうにもこうにも普通には描くことができません。
このペンで描くには、はじまりとおわりを決めてからでないといけないようです。
新しい描き方にアドさんは心を奪われたかのように、
左も右も忘れるほどに、
くりかえし、くりかえし、描き続けました。
今までは描くことが困難だった真円や、
描いたものをまっすぐ並べることさえ簡単にできてしまいます。
アドさんは目が白ウサギのように真っ赤になるまで描きました。

I can draw everything! POSSIBLE! PERFECT!

もはやAiの箱から取り出したペンをもったアドさんに描けないものはありません。
Aiの邪術にとらわれてしまったアドさんはいつまでもいつまでも描き続け、
もはや自分の意志ではそのペンを離すことはできなかったそうです。

20151101Story_Cubes-3.jpg


と、キューブ状のものがならんでいると
ついついうっかりストーリーを紡いでしまう現象。
それがストーリーキューブスです。
20151101Story_Cubes-2.jpg
9個のサイコロを転がして、
出た絵からストーリーをつづっていくという
とってもシンプルで楽しいオモチャです。
20151101Story_Cubes-4.jpg
さわりだけ体験してみたいな〜と思う人はiPhoneアプリがありますので、
おはなしを作ってみてはいかがでしょうか?
いまのところ、英語版しか無いようです。
https://www.storycubes.com/apps
App Store:Rory's Story Cubes
スポンサーサイト

羊が知っている宇宙の秘密 [ + Story Cubes + ]

むかしむかし、あるところに顏の黒い羊がいました。
ある日、羊は顔がさんかくの人間のような、
しかし人間ではないなにかに出会いました。

羊は、ほんの暇つぶしのつもりで顔が三角のなにかと話し始めました。
すると顔が三角のなにかは、
「君が住んでいる星を空よりももっともっと高い遠い場所から見たことがある」
と言うではありませんか。
羊は、顔三角の話を聞いては自分の世界をどんどん広げていきました。

もっともっと顔三角の話を聞きたい羊は、
顔三角がまた次もここへ来れるように、
古墳の上に映えている大きな1本の木を目印にしようと考えました。

その行為を嬉しく思った顔三角も羊にカギのようなものをひとつ渡しました。

顔三角の話すことは、後々に地球と呼ばれる球体のことや、
地球からもっともっと遠い星のことや、宇宙のことでした。
羊だけがずっと未来の地球のことを知ってしまいました。
もうすこしだけ隠しておきたい宇宙人やUFOのことが、
大好きな羊から知れ渡ってしまっては、
もう二度と羊に会えなくなってしまうんじゃないかと思った顔三角は、
羊に渡したカギにちょっとした細工をしたのです。

地球に住む人々が羊のことを考えると、
眠くて眠くてどうしようもなくなってしまうように、と。

羊と宇宙人のはじめての接触は、すごく長い時間のように思えましたが、
亀が石橋を渡りきるほどのちょっとした時間だった様です。

20151101Story_Cubes-1.jpg

オンフェスベイルの目 [ + Story Cubes + ]

むかしむかし、あるところに
なんでも見ることができるという大きな目があったそうです。

大きな目はオンフェスベイルと呼ばれる背の高い建物の
最上階にあるというウワサです。
オンフェスベイルは、今で言うところの
オフィスが雑居する高層ビルのような形だったそうです。

その大きな目でなにかを見たいと思う人は、
自分が大切にしているものを対価として差し出す必要がありました。
対価が大きすぎても、小さすぎても、いけません。
自分が見たいと思うものに釣り合う対価を求められました。

また人間でなければ見れないということは無く、
ハタラキバチの小さな好奇心でさえも大きな目は受入れました。

しかしオンフェスベイルへの入口はいつしか硬く閉ざされてしまいました。

それはかつて何かを見るでもなく訪れた何者かが、
虫眼鏡であつめた太陽の光を大きな目にあてて、
なんにも見えなくしてやろうとたくらんだことがあったからです。

人や動物と一緒にいろんなものを見ていた大きな目は、
いまでは人々の記憶からも消えてなくなりそうです。

おや、
オンフェスベイルの中に灯りがともるなんて何年ぶりのことでしょう。
こころなしか、大きな目が少し嬉しそうに笑ったように見えました。
足音が少しづつ大きくなってきます。

20151020_Story_Cubes.jpg